仕事がつまらないときに試したい「意味づけ」という技術|明日からできる3ステップ

仕事

「安定しているのに不満は贅沢かも」と、自分を責めていませんか。毎日同じ仕事で、やる気が出ない日もあります。

仕事内容そのものをすぐに変えられなくても、「何のために取り組むか」は、自分で置き直せます。

意味づけとは、仕事を無理に好きになることではなく、自分なりに取り組む理由を持つことです。

保育士として12年働く私も、入力作業や資料作成、「これ、本当に必要なのかな」と感じる業務に何度も向き合ってきました。

この記事では、私が実際にやっている6つの意味づけと、明日から使える3つのステップを紹介します。

ただし、意味づけは、つらい環境に無理をして耐えるための方法ではありません。その限界についても、記事の後半でお伝えします。

仕事がつまらないと感じるのは、あなただけではない

仕事がつまらないと感じるのには、ちゃんと理由があります。あなただけが弱いわけではありません

つまらなさは、精神的な問題だけで片づけられません。背景には、さまざまな要因が重なっていることが多いです。

  • 同じ業務の繰り返しによる単調さ
  • 成長や成果が見えにくいこと
  • 自分の価値観と仕事内容のズレ

もちろん、転職は有力な選択肢の一つです。しかし、家族や生活のことを考えると、すぐに仕事を変えられない人も多いでしょう。

私にも、入力作業や資料作成など、同じ業務の繰り返しにモヤモヤした時期がありました。

働き始めたころは、忙しいなかにも仕事の楽しさを感じていました。しかし、仕事に慣れるにつれて、新鮮さが薄れ、以前のようにモチベーションが湧かなくなっていきました。

休日に寝て過ごしても気持ちは軽くならず、日曜の夜になると、翌週の仕事が重く感じられる日もありました。

周囲は特に不満を口にせず、普通に働いているように見えます。自分だけがおかしいのではないかと感じたこともあります。

仕事をつまらないと感じること自体は、異常ではありません。

仕事内容をすぐに変えられなくても、仕事に対する意味の捉え方には、まだ変えられる余地があります。

意味づけに活かせる心理学の3つの考え方

この記事で使う「意味づけ」は、一つの心理学用語を指すものではありません。

認知的再評価、ジョブクラフティング、自己決定理論という複数の考え方を、日常で試しやすい形にまとめた言葉です。

①作業の見方を変える|認知的再評価

認知的再評価とは、出来事そのものではなく、出来事の捉え方を変えることで感情を調整する方法です。

James Gross(1998)は、感情調整の研究を整理し、認知的再評価を、感情が強く表れる前に状況の意味を捉え直す方法として整理しています。
これは、仕事を好きになるための方法ではありません。

業務内容は同じでも、どこに意識を向けるかによって、取りかかるときの抵抗が少し変わる場合があります。

②仕事の一部を自分で調整する|ジョブクラフティング

WrzesniewskiとDutton(2001)が提唱したジョブクラフティングは、働く人が仕事の作業、人間関係、捉え方を自発的に調整する考え方です。

仕事内容を丸ごと変えられなくても、一部分は工夫できます。

会社や組織のルールを無視するという意味ではありません。

決められた範囲のなかでも、自分なりの工夫を加えることで、ただ指示された仕事をこなすだけではなくなります。

③自分なりの理由を持つ|自己決定理論

Deci、Olafsen、Ryan(2017)は、自己決定理論を職場に当てはめた研究を整理しています。
自律性だけでなく、有能感と関係性も基本的な心理欲求として整理されています。
この記事で紹介する「取り組む理由を自分で決める」「技能を磨く」「誰かの役に立つ」という意味づけは、この3つの視点と重ねて考えられます。

仕事そのものを自分で選べない場合でも、取り組む理由や工夫の仕方を一部選ぶことはできます。

理論だけでは動きにくい場合もあります。次に、私が試した6つの具体例を紹介します。

つまらない仕事に意味をつけた私の6つの例

私が日常の業務で試してきた意味づけを、6つに整理しました。

すべてを試す必要はありません。自分の仕事に近いものが一つあれば十分です。

業務 つまらないポイント 意味づけ
入力作業 単調な画面作業 正確さとタイピング速度を鍛え、読む人を助ける
資料作成 テンプレ通りにこなすだけ 読む人が短時間で要点をつかめるようにする
会議 面倒な場 自分の考えを分かりやすく伝える練習の場
マニュアル作成 成果や効果が見えにくい 次の担当者が迷わず動けるようにする
「これいる?」業務 必要性を感じない 目的を確認し、改善できないか考える
思いつかないとき 高尚な理由が浮かばない 正確さを保ちながら効率を上げる

正確さとタイピング速度を鍛え、読む人を助ける

保育士として働くなかでも、計画や記録などの入力作業は多くあります。

以前は、入力画面を開くだけで面倒に感じていました。

そこで、「ただ文字を入力する作業」ではなく、「正確さとタイピング速度を鍛える時間」と捉えるようにしました。

キーを打つ速度や入力ミスの少なさに意識を向けると、単調な作業にも小さな目標ができます。

さらに、「あとで読む人が迷わない記録を残す」と考えることで、自分だけで完結する作業ではなくなりました。

入力作業が楽しくなったわけではありません。ただ、始めるまでの抵抗が以前より小さくなる日は増えました。

読む人が短時間で要点をつかめるようにする

資料作成は、テンプレート通りに情報を入れるだけでも完成します。

しかし、読む側の負担は、作り方によって変えられます。

私は、資料作成を「情報を埋める作業」ではなく、「読む人が短時間で要点をつかめるようにする作業」と考えるようになりました。

具体的には、次のような工夫です。

  • 結論を先に書く
  • 見出しをつける
  • 文字を詰め込みすぎない
  • 不要な説明を削る

同じ資料作成でも、読む人を意識すると、自分で工夫できる部分が見えてきました。

自分の考えを分かりやすく伝える練習の場

会議を面倒に感じることもあります。

私も、出席して話を聞くだけで終わらせたいと思うことがありました。

そこで、会議を「自分の考えを分かりやすく伝える練習の場」と捉え直しました。

会議の前に、伝えたいことを三行程度のメモにします。長く説明するのではなく、要点を絞って話すことを意識しました。

毎回うまく話せるわけではありません。

それでも、ただ参加するだけの会議より、「今日は一つ伝える」と決めた方が、自分なりの目的を持って臨めます。

次の担当者が迷わず動けるようにする

マニュアル作成は、成果が自分に返ってきにくい仕事です。

作った直後に感謝されるとは限らず、効果も見えにくいため、意欲が湧かないことがありました。

私は、「次の担当者が少しでも楽になるか」を基準にするようにしました。

  • 迷いやすい部分に注意書きを入れる
  • 手順を一つ減らせないか考える
  • 初めて読む人にも分かる言葉を使う

自分にとっては慣れた作業でも、次に担当する人にとっては初めてかもしれません。

その人を一人想像すると、マニュアル作成の意味が見えやすくなりました。

目的を確認し、改善できないか考える

仕事をしていると、「この作業は本当に必要なのだろうか」と感じることがあります。

その疑問を持つこと自体は悪くありません。実際に、目的が曖昧になっている業務や、昔からの慣習だけで残っている業務もあります。

私は、すぐに愚痴で終わらせるのではなく、まず「何のために行っているのか」と考えるようにしました。

目的が分かれば、納得して取り組める場合があります。

一方で、考えても目的が見えない場合は、上司や同僚に確認したり、やり方を変えられないか提案したりすることも必要です。

意味づけとは、無駄な仕事を無理に正当化することではありません。

問い直した結果、「やめた方がよい仕事だ」と分かることもあります。

正確さを保ちながら効率を上げる

すべての仕事に、立派な意味が見つかるわけではありません。

誰かの役に立つ実感も、自分の成長につながる感覚も持てない日があります。

そんなときは、無理に高尚な理由を探さず、「正確さを保ちながら、どれくらい効率よく終えられるか」を目標にします。

私は、前回より少し早く終えることや、作業手順を一つ減らすことを、自分なりのルールにしました。

ただし、速さを優先してミスが増えては意味がありません。

あくまで正確さを保ったうえで、効率を上げることが前提です。

実践|明日から試す意味づけの3ステップ

意味づけは、明日行う一つの業務から試せます。

三つすべてを完璧に行う必要はありません。

Step1|気が重い業務を一つ選ぶ

まず、明日行う業務のなかから、気が重いものを一つ選びます。

そして、次のどれかを自分に問いかけます。

  • この作業は、何のために行うのか
  • この作業が終わると、誰が助かるのか
  • 本当に必要な作業なのか
  • 自分で変えられる部分はないか

答えがすぐに出なくても問題ありません。

「面倒だ」で思考を止めず、目的を一度問い直すことが最初の一歩です。

Step2|技能・役割・効率のどれかに結びつける

目的が思いつかない場合は、次の三つから一つ選びます
技能型

「この仕事を、○○の練習にする」

例:入力作業をタイピングと正確さの練習にする。

役割型

「この仕事で、○○する人を助ける」

例:資料を読む人が短時間で判断できるようにする。

効率型

「正確さを保ちながら、○○を改善する」

例:前回より手順を一つ減らす。

意味づけは、一つ決めれば十分です。

Step3|具体的な行動を一つ決める

意味を考えただけで終わらせず、行動を一つ決めます。

たとえば、資料作成なら次のように整理できます。

  • 業務:会議資料を作る
  • 意味:読む人の判断時間を減らす
  • 行動:結論を最初に書く

「仕事を好きになる」という大きな目標ではなく、明日の行動を一つ変えることが重要です。

まずは1週間試し、取りかかるまでの抵抗や、仕事を終えたあとの消耗が少し変わったかを振り返ってみてください。

変化がなければ、意味づけにこだわる必要はありません。別の方法を考える判断材料になります。

意味づけだけでは解決できない場合

意味づけは、今の仕事の持ち方を整える有力な方法です。ただし、すべてを解決する万能な方法ではありません

次のような状態が続くときは、見方だけに負担をかけすぎない方がよいかもしれません。

  • 人間関係や職場環境が、自分だけの工夫では変えにくい
  • 休んでも回復しにくく、業務前から体が重い日が続く
  • 一定期間試しても、負担の感じ方に変化が少ない
  • 仕事内容と価値観のズレが大きく、調整の余地が見えない

こうしたときに意味づけが効きにくいのは、あなたの努力不足ではありません。原因が環境や体力側にある場合もあります。

そのような場合は、次の選択肢を検討してください。

  1. 休む・生活リズムを整える(睡眠、休日の過ごし方)
  2. 信頼できる人、上司、産業医などに状況を伝える
  3. 転職や配置転換など、環境そのものを見直す

転職を急ぐ必要はありません。意味づけを試したうえで、それでもつらいなら、環境を変える判断も否定しなくて大丈夫です。

意味づけは、無理な環境に耐え続けるための方法ではありません。心身の不調や、自分だけでは変えられない問題がある場合は、休息や相談、環境の見直しを優先してください。

意味づけを試してもつらさが変わらないなら、別の選択肢を考えることも正しい判断です。

まとめ|仕事を好きになれなくても、理由は自分で選べる

仕事がつまらないと感じても、無理に好きになる必要はありません。

意味づけとは、与えられた仕事に、自分なりの目的や取り組む理由を持つことです。

私も、入力作業や資料作成など、日常の地味な業務から試してきました。

明日は、気が重い業務を一つ選び、「何のために行うのか」と一文だけ書いてみてください。

目的が見つからなければ、技能、役割、効率のどれか一つに結びつけます。

それだけで仕事が劇的に楽しくなるわけではありません。

それでも、ただ不満を抱えながらこなす状態から、自分で仕事の持ち方を選ぶ状態へ、少しだけ移ることはできます。

意味づけを試してもつらさが変わらない場合は、休むことや環境を見直すことも、正しい選択です。

参考文献

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